「家族の中の信頼を育てるには」 《#2「いたわり」》
あなたはこんな風に思っていませんか?
また、家族の誰かがこんな風に言う場面に遭遇したことはありませんか?
「私のことなんて、誰も気にしない。
私はきっと、この家では迷惑なだけの存在だ。」
「私の言うことなど、誰も聞いていない。 私が、いてもいなくても、誰も困らない。」
「自分自身、自分のことを大切になんて思えない。」
こんな風に感じることは、とても普通にあることです。
誰でもが体験したことのある感情でしょう。
その結果、大人と子供では表れ方の違いはあれ、こんな行動をとります。
・問題行動を起こして気を引こうとする。
・そんな「価値のない自分」を、ぞんざいにあつかう。
・「何もなかった」ように振舞い、心の声にふたをする。。。
なぜこんな風になってしまうのでしょう。
本当に伝えたいことはこんなことではないのに。。
本当に欲しいのはこんな関係ではないのに。。。
こんな「自分を認められない=自己肯定感の低い状態」を変えていくためには、
まず自分自身に「いたわり」の気持ちを示してみます。
尊敬の気持ちを持って身体の面倒を見、
お風呂にはいり、
お気に入りのシャンプーで髪をケアし、
清潔な衣服を身に着けます。
そして、必要としているものを自分に与えます。
さびしいと感じたら、たとえ短い時間でも友達と過ごし、
おなかがすいたら何かを食べ、
悲しかったら少し涙を流して、
よくなるためのアイディアを静かに考えます。
そんな風に、自分のことを限りなくいたわるという経験をしてみます。
そして、それを子供や家族にも与えてみます。
自分をいたわるということは、
家族を、
自分を、
大切に考える土台となります。
そのうえで、子供には特に、
周囲から限りなく好きだと思ってもらえる経験が必要です。
自分に自信をもてる子に育つには、
厳しく育てる必要も、ほめ続ける必要もありません。
ただ「大好きだ」と、
「その存在だけが大切なのだ」と言う気持ちを、
力まず伝え続けることです。
その結果、子どもは自分を大切に思い、
自分を好きになり、
そんな自分に自然と自信を持てるようになることでしょう。
家族間の、友人間の信頼関係がなかなか構築できないとき、
まず大切で強力なのは、
「自分が好き」という【自己肯定感=自尊感情】なのですね。
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「いたわり」
いたわりとはあなたにとって大切な人やものに愛情を注ぎ、
注意をはらうことです。
人のことをいたわるとき、あなたはその人に援助の
手を差し伸べます。
注意をはらいながら最善の努力をします。
人びとや物事に優しさと尊敬の気持ちを込めて接します。
いたわりによって、この世界は、より安全な場所になります。
リンダ・カヴェリン・ポポフ 著/大内 博 訳/発行 太陽出版
「52の美徳カード」「52の美徳教育プログラム」より
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